「明日死んだら、どこの墓に入るの?」
家族のことを考えるとき、わたしは墓のことを考える。
実家の墓は山の上。大きな楠木の下に、代々の先祖が眠っている。
最近、祖父が火葬対応の祠を新調した。いけてる。
ずっとこの墓に入りたいと思っていた。
でも、結婚したら苗字が変わった。
夫の実家は大分の分家で、まだ墓がない。
義父が亡くなったら新しく建てるのか?
夫ともそんな話をする。
この間、祖父に「わたしが死んでも、あの墓に入れる?」と聞いたら、
「別の家に嫁に行ったしなぁ……」と、微妙な顔をされた。がーん。
もし明日わたしが死んだら、馴染みのない土地に埋まるのか。
それとも東京のどこか、夫が手入れしやすいお寺に入るのか。
いつか夫が死んだら、隣に埋めてほしい。
でも、彼はわたしの先祖に囲まれるのは嫌だろうか。
死んでしまえば、どこでもいいのかもしれない。
誰と一緒に埋まりたいのか。
それが、わたしにとっての「家族を考えること」な気がする。
愛猫のぴっぽとも一緒がいい。
父の姿
去年の12月、久しぶりに父と会った。
父とは、実家を出て帰省する度に何度か外食をした。
家にいた頃は父と2人だけで話す機会が少なく、
いまだに2人で会う時はソワソワする。
駅前で待ち合わせ、何度か来たことがあるという近くの鮨屋へ向かう。
父は、前に会った時よりも少し痩せているように見えた。
父から聞く話は、知らないことばかりだった。
若い頃東京に住んでいたこと、いつかは両親の住む広島に戻るつもりだったこと、
去年の夏に体調を崩し会社をしばらく休んでいたこと。
話を聞いている間、目の前にいる父は、自分が知る「父」ではない別の人のように思えた。
本当は、別居中の母とこれからどうするのか聞くつもりが、
気づけば、本題を切り出す間も無く、店を後にしていた。
大人になる少し前に。家族のことを話しませんか?
いちばん近い他人、家族。
距離が近いからこそ、どう話かけようかと迷ったり、
そんなつもりがなかったのに語気が強くなったり、生まれる感情に戸惑ったり。
しかも家族のことって、友人にも仕事の同僚にも、話す機会は多くありません。
仲良しエピソードならまだしも、ちょっと仄暗い話なら尚更。
他者に言葉にして伝えようとすることが、
自分自身に何か気づきや発見をもたらすことがあると思う。
そこで「家族」をテーマに、そんな場を開いてみます。
いちばん近い関係性の家族を考えてみることは、
「他者と、ともに生きること」を考えることにも通じるかもしれません。
■ イベント詳細
日時:2025年3月18日(火)19:00~21:00
場所:合羽坂テラス2号室 (東京都新宿区市谷仲之町2-10)
費用:1,500円(軽食付)
■ 申し込み・詳細は、画像をタップ!

上のコラムは、企画メンバーふたりが「家族を考えるって、どんなこと?」をお題に書いたものでした。
みなさんとこんなことを考え、話す時間になれば嬉しいです。
企画メンバー:
戸村華恵(コラム上)、柴崎真直(コラム下)、熊谷麻那(全体文責)