パーマカルチャーってなんだ?
自然のエコシステムを参考にし、持続可能な建築や自己維持型の農業システムを取り入れ、社会や暮らしを変化させる総合的なデザイン科学概念(wikipedia)だそうです。
はっきり言ってよくわかりませんね(汗)。持続可能な農業をベースに人と自然が共に豊かになれるような地球や環境問題に取り組むこと、という方が少しはわかりやすいでしょうか?
パーマカルチャーの起源は1970年代にオーストラリア南部のタスマニア島で暮らしていたデビッド・ホルムグレンとビル・モリソンが作った造語であり、パーマネント(permanent)とアグリカルチャー(agriculture)を組み合わせ「永続する農業」という意味が込められたものとして広がりました。
パーマカルチャーが最近になって、日本でさらに注目されるようになってきたことにはいくつかの理由が考えられますが、ピークオイルと気候変動の発症など人間社会がこれまでにない変動を迎える時代、右肩上がりに成長しない不確実な時代を日本が迎え、ホルムグレンが説いたように「下降の時代の文化」として、その真価を発揮しはじめたのかもしれません。
3つの倫理と12の原則
ホルムグレン著『パーマカルチャー:農的暮らしを実現するための12の原理』にあるようにパーマカルチャーは3つの倫理と12の原則に基づくと理解されています。
3つの倫理とは「地球を大切にする(Care for the earth)」「人を大切にする(Care for the people)」「共有する(Share)」ことと定義されています。農業をおこなう上で、産業を生み出す上で、生活をする上で、地球の生態系を壊し、人の暮らしやカラダに悪影響のあるようなものを生み出し、使うことは、この倫理に反した行動となります。生み出した資源を独占するのではなく、共有する。それがパーマカルチャーが伝える基本倫理となっています。
パーマカルチャーは、食物や繊維、エネルギーなど人間が暮らしていく上で必要と考えられるものを自然の中に見られるパターンや関係性から、そのシステムを見出し、常に進化する前提で、風土や環境を意識的にデザインすることとしています。このための原則として12の約束が定義されています。
【1】 まず観察、それから相互作用
【2】 エネルギーを獲得し、蓄える
【3】 収穫せよ
【4】 自律とフィードバックの活用
【5】 再生可能な資源やサービスの利用と評価
【6】 無駄を出すな
【7】 デザイン――パターンから詳細へ
【8】 分離よりも統合
【9】 ゆっくり、小さな解決が一番
【10】 多様性を利用し、尊ぶ
【11】 接点の活用と辺境の価値
【12】 変化には創造的に対応して利用する
ひとつひとつの細かな説明はここでは割愛しますが、これらを学び、実践することで、農業だけにとどまらず、教育、経済、人生、文化の創造にその価値を見出そうとすることが最近のパーマカルチャーのひとつの動きとなっています。
その活用に、とても広がりのある多様な価値を見出すことができる点が、この「パーマカルチャー」という言葉が「デザインの概念」であると言われる理由であり、パーマカルチャーに可能性を感じる人々が多い理由なのでしょう。
停滞する経済、混乱する政治、勃発する自然災害、生きていく不安、モノに偏重した暮らし、閉塞感が漂う人生、それらをパーマカルチャーという概念を通して、見つめ直すことで、生きていく可能性を見つけていく。これからのパーマカルチャーの広がりに期待してみたいと思います。