多くのひとに「気持ち悪い!」という言葉で片付けられがちな深海生物ですが、深海生物は神秘とロマン、魅力がぎっしりつまっているのだ!あ総研編集部の深海魚好きが、東京・上野の国立科学博物館で開催(2017年7月11日から10月1日まで)されている、特別展『深海2017』に行ってきました。
深海の魅力に迫る特別展示『深海 2017』
東京・上野駅から徒歩5分のところにある国立科学博物館にて開催中の『深海2017 〜最深研究でせまる“生命”と“地球”〜』。2013年夏に国立科学博物館で開催した特別展『深海』から約4年。今回は「生物発光」や「巨大生物」、「超深海」に焦点を当て、他にも「深海や巨大災害」、「深海と資源」など6つのゾーンで展示が構成されているそう。わくわくします。
エスカレーターで下におります。
特別展『深海2017』の入り口。思った以上に大人が多い印象でした。家族はもちろんのこと、デート中のカップルもたくさんでした。
深海のこと詳しくないんだけど、、、って人も大丈夫。会場の入り口横には、音声ガイドの案内がありました。携帯電話のような機械から音声ガイドが流れます。展示パネルの番号にそってクイズなどもでてくるみたいです。館内でもたくさんの利用者が見られました。ちなみに音声ナビゲーターは「しょこたん」(撮影は禁止でした)。しかも特別展『深海2017』の音楽を担当するのは、ジブリ映画の音楽でも有名な作曲家の「久石譲」さん。大変豪華です。
なぜ深海がすごいのか?
私が深海に興味を持ったのは小学生のころでした。人間が生きることのできない深海という環境で、体をその場所に適応させ、進化させながら生きている深海生物に尊敬の念を覚えました。
実際、深海研究はどんどん「深化」をとげているそうなのですが、それでも深海について分かっていることはわずか数%。最近話題になっているAIやIOTなどの技術革新があっても、海の深く深くのことはわかっていません。まだみたことのない生物、思いもよらない自然現象が深海には多数存在するのです。
特別展『深海2017』では、「深海とは何か?」の解説をはじめ、実際にホルマリンづけされた深海生物を観察することができます。深海生物を近くでみると、姿、形は実に特徴的です。撮影は不可能でしたが、普段は公開されていない映像やCGを駆使した深海生物の捕食の瞬間なども一緒に放送されています。個々が深海で生き延びるために進化してきた姿は奇妙で不思議でもありますが、かっこよさを感じてしまいました。
深海の深さってどれくらい?
海洋生物学において、「深海」とは、植物が光合成できないほどに光がなくなる水深200m以深のことをいいます。さらには、深海も深さによって名前があります。水深200~2000mを漸深海底帯(ぜんしんかいていたい)。水深2000~6000mを深海底帯。そして水深6000m以深を超深海底帯といいます。深海の面白いところは、この深さによって存在する深海生物が異なることです。特別展『深海2017』では、水深によってそれぞれ異なる特徴をもった深海生物を見ることができます。水深200mと水深6000mの深海生物を同時にみることができ、またここの生物の違いを発見することができるのも特別展『深海2017』の楽しみかたかと思います。
あまり言い過ぎるとネタバレになるので、このあとは写真にて。
深海に潜む巨大生物。159センチのあ総研編集部が手を広げても足りません。
テレビでもみたことのある人も多いのではないでしょうか。巨大ダイオウイカです。
近くでみるとかなりの迫力です。顔がひきつりました。
というように、深海生物の迫力に圧倒されます。こんな生物が本当に海にいるのかと疑ってしまうぐらいです。会場内で一番厳重な警戒のもと展示されていたのは未発表の深海生物。実際に見ることができ、とても貴重な空間でした。もちろん撮影はNG。いままさに研究論文を作成中だそうで、近い未来に新しい深海生物として発表されるかもしれません。
深海研究は、今や、地球と生命を理解するために不可欠な研究領域となっているそう。日本の深海研究の場で活躍する船舶や探査機も合わせて紹介されていました。特別展『深海2017』は深い深い海の一部を見ることができる貴重な機会です。深海好きもそうでない人も、楽しめることまちがいなしです!
開催時期は2017年の7月11日から10月1日まで。会館時間は午前9時〜午後5時。休館日は9月4日、11日、19日です。ゆっくり展示を楽しみたい人は2時間ぐらいを目安にどうぞ。詳細は下記にて。
深海2017 ~最深研究でせまる“生命”と“地球”〜
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2017/deep-ocean/