スマホやSNSの発達とともに日常の中で映像コンテンツを目にする機会が随分増えました。
そんな映像において”音”という要素はとても重要な役割を持っていて、
画は同じでもBGMが違うだけで与える印象が変わります。
今回は身近なテレビCM・Web CMにおいての”BGM”に焦点を当てて、
映像における音楽の重要性を体感できる実例を紹介したいと思います。
まずは、サンプルをつくってみました。
同じ遊園地で遊んでいる映像ですが、BGMが異なります。
<わくわく系>
楽しい!というの気分が伝わってきますよね。なんとなく飲料系のCMっぽいかも。
<感動系>
思い出を振り返るような、別れに向かっていくような、切ない雰囲気です。
「この笑顔を、守るために。」…みたいなコピーが出てきそうな感じです。
いかがでしょうか? 同じ映像なのにまったく違った作品に見えませんか。
このようにBGMは作品の方向性を大きく握る要素です。
たとえば、映像コンテンツの企画をしているときに、
「音楽は、たとえばこんな感じ!」というイメージが制作サイドと共有できていると
制作の進行がスムースかもしれません。
今回は<感動系><かっこいい系><わくわく系>の3ジャンルに分けて作品をご紹介します。
こういう印象を与えたい!というイメージの参考にしてもらえればと思います。
[box style=”rounded”]<感動系>[/box]
ピアノやバイオリンといったクラシックな楽器がよく使用されています。
特にピアノ×ゆったりとしたテンポの組み合わせが多い印象です。
例1.ニビシ醤油 こころに、ごちそうを。母の手紙篇
ピアノとバイオリンのシンプルな構成。特に大きな展開はないですがセリフを際立てつつ雰囲気をつくっています。
例2.明光義塾 「おしえるしごと、おそわるしごと」
アンビエントな楽器隊にのせた透き通るようなコーラス。少しずつ壮大になっていく構成もあいまって、心が動かされます。
例3. Panasonic VIERA
ピアノとストリングを中心に、ゆったりとしたリズムに乗る情緒的なメロディが感動を誘います。
[box style=”rounded”]<かっこいい系>[/box]
エレクトロやバンドサウンドに乗せたロックテイストな楽曲が多いです。
弦楽器を入れる等オーケストラ風にすることで壮大な世界感をつくっているものもよく耳にします。
例1.NIKE
疾走感あふれるロックチューン。NIKEの挑戦的なイメージとピッタリです。
例2.ペプシコーラ 桃太郎
バンドサウンドが基調。ゆったりとしたリズムにのるストリングスが、一歩一歩いているような堂々とした感じを出しています。
例3.THE EXTREME DELIVERY
ギターの音が心地よい、疾走感のあるエレクトロサウンド。
[box style=”rounded”]<わくわく系>[/box]
ピアノ等、アコースティックな楽器編成が多い印象です。
手拍子が入っていたりかけ声が入っていたり、跳ねるようなリズムがつかわれているものをよく目にします。
例1.Apple iPhone5 Cheese篇
踊るようなピアノにのせて、徐々に乗っかってくるリズミカルなピチカート(弦を指ではじくことによって音を出す演奏)とグロッケンの音色が、
楽しいことが起こりそうな雰囲気を演出しています。
例2.フリスク
はねるような鍵盤から、さわやかなバンドサウンドが合流する展開が世界感を作っています。
よく聞くと序盤に指パッチン(正式名称がわからないです…)が入っていて、最後の「Hello Idea」というコピーを匂わせています。
例3.祝!九州 九州新幹線全線開CM
アコースティックで軽快なテンポ。手拍子やコーラスのかけあいが生み出すハッピーな雰囲気が、
わくわく感を演出しています。
以上です。
いかがでしたでしょうか?
映像を見る際はぜひBGMも意識してみてくださいね。