前回の記事(【これでいいのか展示会!?】第1話 ブース内に商談席は本当に必要?)で、展示会出展にあたっての最初の1歩は出展目的の明確化とゴールの設定であると述べました。
しかし実際のところ、お客様に「貴社の出展目的は何でしょうか?」「出展のゴール、KPI(評価指標)は何でしょうか?」とお伺いさせていただくと、「特にそういったものは明確に設定していない」とお答えいただくことがまだまだ多いのが事実です。
さらにそれらに続く言葉として「獲得名刺も目安程度にしかカウントしていません」「広告代わりに出ているようなものなので…」と発せられるのも、ひとつのテンプレートです。
個人的に、ここでいつも違和感を覚えます。
「広告代わりに出展」ということは、本来立派な出展目的のひとつです。ところが、これは私の印象論ではありますが、「広告代わりに出展」という文句を使うほとんどの企業は、単に出展の成果を可視化していないことの言い訳として「広告代わり」という言葉を使っているにすぎないと感じられます。
そこで私はよく「でしたら展示会に出展するのではなく、そのものストレートに広告施策を強化したほうがいいのではないですか?」とアドバイスをさせていただきます。
とりわけ中小規模のBtoB企業様では、業界誌や業界ポータルサイトなどへの出稿を除くと、広告を打つということにハードルの高さを感じている会社が依然として少なくないように思います。しかし、特にWeb系の広告であれば、実は出稿のハードルはまったく高くありませんし、コスト的にも無駄なく取り組むことができるようになっています。
たとえば「リスティング広告」や「facebook広告」などの広告料金は、クリック数に応じた従量課金であり、さらに予算の上限も設定できます。
人件費を入れれば最低でも数百万円は必要な一方で認知向上効果が明確に測りにくい展示会よりも、Web広告は広告媒体として圧倒的にリスクが低いのです。また、クリック数など、成果が明確に可視化できるというメリットもあります。
もちろん私は、展示会に出るなと言っているわけでも、出展効果を軽視しているわけでもありません。
展示会は、見込客(リード)の個人情報を獲得する施策としては、非常に効率的だと考えています。
たとえば
・1000万円を投じた展示会で2000枚の名刺を獲得する
・300万円を投じた展示会で600枚の名刺を獲得する
いずれも、その気になれば、それほど難しい目標ではないと思います。
これを名刺1枚あたりの獲得単価に直すと、5000円。
見込客の獲得単価としては、非常に優秀だと思います。
もちろんビジネスモデル等々によっても一概には言えませんが、一般論として展示会の出展目的は見込客(リード)の個人情報獲得に置くことをお勧めしています。
と同時に、もし認知向上を目的に置く場合、認知向上の効果の測りにくい展示会に漠然と「広告代わり」に出るくらいであれば、純然たる広告施策を強化してきちんと成果を可視化していくべきだと考えます。
いずれにしても「昨年も出ているから」という消極的な理由だけで展示会に出続けるのは、そろそろ見直す必要があるのではないでしょうか。
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