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パラレルキャリアや兼業・副業で未来をつくる働き方

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パラレルキャリア・兼業・副業といえば、政府主導の働き方改革が推進される中で出てきた新しい働き方を指すキーワードです。同時に複数社で働くスタイルをとるため、今までの1社での終身雇用や転職を繰り返してのキャリア形成とは一線を画す働き方として注目されています。とはいえ、実践できている人はあまり多くなく、パラレルキャリアと言われても「?」となる人が多いのも事実です。今回はそんな新しい働き方について事例を踏まえながら徹底解説します。「新しい働き方?働き方改革ってなんだっけ?」というあなたは必見です

 

1.パラレルキャリア・兼業・副業とは?:その定義と違い

まず、新しい働き方の定義を紹介します。どれも複数社で働くから同じことなのでは?と思われがちですが、どれも微妙に違うので注意が必要です。これらの活動で共通していることはスキルアップしながら、社外のネットワークを充実させつつ、本業以外の活動によっても本業とのシナジーを見込める点です。

 

1-1パラレルキャリアの定義:本業+ボランティアなどの無報酬活動

パラレルキャリアは本業を行いながら、第二のキャリア形成をする活動のことを指します。副業と形態は同じですが、副業と違うのは報酬を得ることを目的とするのではなく、スキルアップや社会貢献活動、夢の実現といったものが具体的な活動内容となる点です。パラレルキャリアの組み合わせ例としては、「OL+アマチュアテニスプレイヤー(休日のみ)」、「サラリーマン+同窓会の幹事(業務時間外のみ)」、「コンサルタント+NPO法人の理事(土日・業務時間外のみ)」といった事例が挙げられます。パラレルキャリアは身近な趣味や興味起点で始まることが多く、起業の事前準備として用いられていることもあります。

 

1-2兼業の定義:本業と同等の労力を掛けて行う活動

複数の仕事を持つという意味においては兼業と副業は同じ意味ですが、労力の掛け方が兼業の方が本業と同等レベルになる点で大きく違います。副業はあくまで副次的に本業に割く時間の何割かというレベルですが、兼業では労働時間を本業と等分に割るか、同じ労力を投入することになります。兼業農家はその典型例で、農作物の収穫期は農家をやり、収穫期以外は別な仕事に就くというスタイルをとります。ほかの事例としては、「サラリーマン+実業団選手」、「アイドル+農家」といった事例が挙げられます。農業特区で安い農地を購入して企業単位で兼業を推進しているケースもあるようです。

 

1-3副業の定義:本業+αで本業に支障の出ない範囲内で仕事を掛け持つこと

副業については、その名の通り、本業+αで本業に支障の出ない範囲内で複数の仕事を掛け持つことです。副業を認めている企業では、本業の空いた時間で別な仕事をしているケースがあります。代表例はロート製薬やリクルート、Yahooが挙げられます。別な例としては独立しているフリーランスやプロフェッショナルワーカーと呼ばれる人達が挙げられ、彼らは独立しながらも自らのスキル(営業力、ファイナンス、広報など)を用いて一度に複数の企業と取引し、プロジェクトベースで働いています。1度に3社で働くということを実際に自分で時間調整をしながら実施しているのです。企業の枠組みに縛られない自由な働き方が出来ると言えるでしょう。

 

 

2.新しい働き方をめぐる動き:政府や企業のアクション

新しい働き方を取り巻く情勢について紹介します。政府としては後押しする姿勢ではあるものの、企業としてはどのように実態と合わせるかで導入に踏み切れていない企業が多いようです。

 

2-1政府はパラレルキャリア・兼業・副業を後押し

政府が主導する働き方改革の中では生産性の向上、柔軟な働き方の実現によりブラック就労を撲滅し、労働者主体となったよりよいキャリア形成ができるように働きかける政策となっています。その中でも新しい働き方は労働者にとって多様な能力発揮をもたらすものとして重視されており、働き方改革実行計画の中でも名言されています。

 

【参考】働き方改革における新しい働き方の位置付け

「テレワークは、時間や空間の制約にとらわれることなく働くことができるため、子育て、介護と仕事の両立の手段となり、多様な人材の能力発揮が可能となる。副業や兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーションや起業の手段、そして第2の人生の準備として有効である。我が国の場合、テレワークの利用者、副業・兼業を認めている企業は、いまだ極めて少なく、その普及を図っていくことは重要である。他方、これらの普及が長時間労働を招いては本末転倒である。労働時間管理をどうしていくかも整理する必要がある。ガイドラインの制定など実効性のある政策手段を講じて、普及を加速させていく。」

引用元:働き方改革実行計画(本文)・内閣府特設ホームページ

 

 

2-2企業はあまり乗り気ではない一面も

政府としては乗り気ではあるものの、企業としては、他社への情報漏洩リスク、本業への支障を懸念して禁止している企業や認めているが推進していない企業が大多数を占めている状態です。

 

【参考】大手企業の兼業・副業推進状況データ

引用元:平成26年度兼業・副業に係る取組み実態調査事業報告書(リクルートキャリア)

 

【参考】中小企業の副業・兼業推進状況

引用元:東商けいきょう集計結果2016年10~12月期

 

従って、企業の中でも徐々に副業容認の流れが政府の意向に合わせて広がっていくと捉えるのが現実的でしょう。

 

2-3フリーランスや兼業推進の業界団体も立ち上がっている

徐々にパラレルキャリア・兼業・副業が認知されるにつれて、パラレルキャリア・兼業・副業を行う人向けの業界団体のような存在も複数立ち上がっている状態です。フリーランスやパラレルワーカー同士で横のつながりを強めつつ、互助的な福利厚生制度の立ち上げや企業やコミュニティに対してパラレルキャリア・兼業・副業の啓蒙活動を展開しています。

 

【業界団体の例】

日本フリーランス協会:フリーランスをただの下請けにとどめないために、フリーランスのフリーランスによるフリーランスのための互助活動を展開中。特定の企業や団体に偏らない中立団体としての活動を重視。

一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会:2016年に設立された団体。業界団体としては若いが新しい働き方を推進したい企業やフリーランスの集合体としての政策提言や互助活動を展開中。

 

 

自分にとって理想のキャリアを築くには?

ここまで新しい働き方の定義や取り巻く状況について紹介してきましたが、イメージできましたでしょうか?パラレルキャリア・兼業・副業それぞれ特徴がありますが、自分の状況に合ったスタイルを選ぶことが重要です。本業が副業禁止ならば無理に副業しても会社を免職になるリスクもあります。重要なのは、自分の会社の規定、自分の求めるキャリア像、今の自分の空き時間を鑑みながら自分にあった働き方を選択することでしょう。本コラムが働き方の検討に役立ってもらえれば幸いです。

 

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