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今さら聞けない、楽天株式会社って何がスゴいの? 意外な事実10選

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2016年のフォーブス日本長者番付において資産6,400億円で5位に付けるのが楽天株式会社社長三木谷浩史氏です。楽天市場はいまや日本最大級のネットショッピングモールに成長し、国内流通総額は3兆円を突破。野球やサッカーなどプロスポーツの世界でも力を発揮する楽天の強さの秘訣に迫るべく、意外と知られていない歴史と事実を調べてみました。


事実1: 創業者の三木谷氏の起業のきっかけは留学、そして震災の経験

楽天の創業社長である三木谷浩史氏は一橋大学を出ると日本興行銀行に入り、その後ハーバード大でMBAを取得しています。この留学中に「大企業で出世するより、起業することこそがビジネスの醍醐味」という起業家精神に強く触発されたことが起業を志すきっかけとなりました。帰国後銀行に戻りM&A業務に就いた三木谷氏ですが、95年の阪神淡路大震災の被害を目の当たりにし、時間は有限であることを痛感、これを契機に銀行を辞め起業家の道を歩み始めたそうです。

事実2: 「楽天市場」オープン当初の出店者はわずか13店舗だった

1997年株式会社エムディーエムを設立したことから楽天の歴史は始まります。同年には現在も主力事業のひとつであるインターネット通販サイト「楽天市場」のサービスを開始しましたが、当時の大きな問題が出店者不足でした。創業時の従業員はわずか6人、三木谷氏も出店者を求め営業に奔走します。しかし、それでも楽天市場がオープンした時の店舗はわずか13店舗であり、全出店者の月売上を合計しても20万円に届かないという順風とは言えないスタートでした。

事実3: 出店者に優しいサービスの徹底で成功

楽天市場が開始した97年にはすでに大企業がECサイトを立ち上げサービスを開始していましたが、うまく黒字化できたところは少なく、ほとんどのサイトはほどなくして閉鎖となっていきました。その中で楽天市場が一人勝ち的に大きく成長できたのはなぜでしょうか。それは出店者に優しいサービスだったからといわれます。他にはない、わかりやすく安い料金設定。ウェブに詳しくなくても商品ページを制作できる機能や販売促進のサポートサービス。買う側だけでなく売る側にもしっかり目を向けたことが楽天市場の勝因となりました。

事実4: 「楽天」の名前の由来は「楽市・楽座」

「楽天」というネーミングは織田信長の経済政策として有名な「楽市・楽座」からきています。楽市・楽座とは誰もが自由に取引できる市場を作り経済を活性化させる政策ですが、ここにおいての「楽」には自由という意味が含まれています。そこから明るく前向きなイメージになるよう考案されたのが「楽天市場」という名前でした。楽天株式会社という社名もこの「楽天市場」に由来しています。

事実5: 企業理念は「人々と社会をエンパワーメントする」

楽天の企業理念は「イノベーションを通じて、人々と社会をエンパワーメントする」。エンパワーメントとはそれぞれが持っている本来の力を発揮できるように支援するという意味合いです。三木谷氏は「理念がなくても、短期的中期的には大きな利益をあげることができるかもしれない。けれど正しい理念がなければ、長期的な繁栄は絶対に望めない」と話しています。

事実6: M&Aを駆使して急拡大

楽天は2000年に株式を公開し約500億円の資金を調達し、この資金を利用した積極的な買収により規模の拡大と事業の多角化をしています。
それらの買収した事業は、いまでは楽天銀行や楽天証券、楽天カード、楽天トラベルなど大きな成功を収めだ事業として楽天の成長を支えています。もともと銀行員時代M&Aのプロとして働いていた三木谷氏の手腕が発揮された事例といえるでしょう。

事実7: テレビ局買収に挑戦、そして断念したことも

順調に成長を続けた楽天は2005年、1,000億円以上の資金を投入しTBS株の20%弱を取得しました。これに対しTBSは放送法で守られる認定放送持ち株会社に移行するという荒技で抵抗します。これにより3年半の攻防の末、楽天はTBS買収を断念。このときの一連の取引で楽天が計上した評価損失は約650億円でした。三木谷氏はのちに「もう少し早く止めればよかったが、固執してしまった。」と話しています。

事実8: 参入1年目で黒字を出した楽天イーグルス

投資に積極的な楽天ですが2005年プロ野球界にも参入します。
野球界への新規参入は実に50年ぶりのことでした。当初の成績はリーグ最下位に沈むことが多かったものの、2009年にはCS進出、2013年には遂に日本一に輝きます。そして経営においても参入当時パリーグ他球団が40億円の赤字を出す中、楽天は1,500万円の営業利益を計上し、球団運営は赤字がでるのは常識とされていた野球界を驚かせたのです。

事実9: 英語を社内公用語としている

2010年、楽天は「業務での日本語禁止」「全社員TOEICスコア600点以上」という英語の公用語化の方針を打ち出します。楽天の狙いは海外進出と優秀な人材の確保でした。当初は500点台だった楽天社員のTOEIC平均スコアは800点を上回り、日本で培ったノウハウを海外に持っていく際の障壁がなくなりました。人材の面ではいまやエンジニア採用の70%が外国人であり世界から優秀な人材を集めることに成功しています。

事実10: 日本企業で初めてFCバルセロナのメインスポンサーに

楽天は2017シーズンから世界でトップクラスの人気を誇るサッカークラブFCバルセロナのメインスポンサーになりました。4年間のスポンサーで250億円もの投資になります。海外市場において力を発揮できていない楽天は、この投資で広く楽天ブランドを認知してもらう狙いがあります。パートナーシップ契約の発表後、効果は早速現れているようで、三木谷氏は広告宣伝費と考えればすでに十分な見返りがあったと話しています。


日本におけるインターネットを通じた売買の普及に楽天が果たした役割は計り知れません。その背景にあるものを三木谷氏は「あきらめなかったから」とシンプルに話しています。次に見据える海外市場の結果がまだ未知数ですが、近年の大きな投資がどのように実を結ぶのか、注目したいところです。

参考サイト:
https://corp.rakuten.co.jp/
http://k-tsushin.jp/interview/rakuten/
http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmgp/20110321/219075/
https://tokyo-calendar.jp/article/4402
http://toyokeizai.net/articles/-/33821?page=3
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1109/16/news008_2.html
http://kigyoka.com/news/magazine/magazine_20150223.html
http://toyokeizai.net/articles/-/145563?page=2
http://www.sbbit.jp/article/cont1/29128?page=2#continue_reading

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